夜景撮影

夜景を撮影するには、主に2つの方法があるようです。

1.三脚を使って夜景撮影をする方法
2.スナップ写真を撮る感覚で、カメラを手持ちで夜景撮影する方法

それぞれの方法について説明していきます。
※)このページにある情報は万全を期していますが、万が一、間違いがあれば、お手数ですがトップページにある連絡先よりご連絡ください。可及的速やかに修正いたします。

格安宿

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三脚を使って夜景撮影する方法

三脚を使うと、ブレることなく綺麗な夜景を撮影することができます。
では、具体的にどのようにして撮影すればいいのでしょうか。
※)ワケがわからなくても、以下で設定してみて、部屋で試し撮りしてみるといいですよ。

・カメラを三脚に固定します。

・カメラの設定で「手振れ補正」をOFFにします。
※)LUMIX DMC-GF5Xの場合は、「撮影」のところに手振れ補正の設定画面があります。

・カメラの設定で「ISO感度」を低く設定します。
※)LUMIX DMC-GF5Xの場合は、「撮影」のところに、ISO感度の設定画面があります。ISO感度をあげると画質が悪くなるため、まずは、160から撮影をはじめるといいでしょう。シャッタースピード(SS)が遅くなりすぎるなどがあれば、200、400とISO感度をあげます。ISO感度、シャッタースピード(SS)の詳細は後述します。

・カメラの設定画面を開くと、「A(絞り優先)」「S(シャッター優先)」「M(マニュアル露出)」「P(プログラムAE)」などの撮影モードがあります。このうち、「A(絞り優先)」に設定します。

・F値を7から8あたりに設定します。すると、自動でシャッタースピード(SS)が決まります
※)なぜ、シャッタースピードが決まるのかの理由は後述しています。
※)LUMIX DMC-GF5Xの場合は、撮影モードを「A(絞り優先)」に設定すれば、以下のような目盛りがついた画面が出てきます。この画面でF値の目盛りを操作することができますので、F値を7から8あたりに設定します。F値を設定すると自動でシャッタースピード(SS)が決まります。



・次に、シャッタースピード(SS)を操作して「露出」を設定します。 「0」が、カメラが「露出が適正」だと判断している状態です。
※)LUMIX DMC-GF5Xの場合は、(F値を決めた後)操作キーを上に押すと、シャッタースピード(SS)を操作することで、露出を変えることができるようになります(以下の画面がでてきて、露出を操作できるようになります)。ちなみに、なぜ、、シャッタースピード(SS)を操作することで露出を変えることができるのかは、後述しています。

・撮影します。撮影の際には、「2秒タイマー」を使います。なお、カメラが適正露出だと判断しているのが露出「0」の状態ですが、実際、どのように写るのかわからないので、露出をたとえば「−1」「0」「+1」のように変えて、何枚か撮影するといいでしょう。

「A(絞り優先)」に設定して、F値を決めれば、シャッタースピード(SS)を設定しなくても、カメラが自動で露出を決めてくれます(露出「0」の状態です)。しかし、カメラは万能ではありません。明るい場所で撮影する場合、カメラは「明るい」と判断して、暗く撮影しようとします。だから、カメラが自動で決めた露出で撮影すると、実際よりも暗く写ってしまうことがあります。つまり、明るい場所だとカメラが(誤って)露出を下げてきますので、露出をあげます。逆に暗い場所で撮影する場合、カメラは「暗い」と判断して、明るく撮影しようとします。つまり、露出をあげてきますので、露出を下げます。


・カメラの設定にて「RAWファイルで出力する」に設定にしていれば、家に帰ってから付属のソフトでRAWファイルを加工します。

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スナップ写真を撮る感覚で、手持ちで夜景撮影する方法

最近のカメラは性能がいいため、三脚がなくても、ブレることなく夜景を撮影することができます(とはいえ、三脚を使った方が綺麗な写真を撮影できます)。
では、具体的にどのようにして撮影すればいいのでしょうか。
※)ワケがわからなくても、以下で設定してみて、部屋で試し撮りしてみるといいですよ。

・カメラの設定で「手振れ補正」をONにします。
※)LUMIX DMC-GF5Xの場合は、「撮影」のところに手振れ補正の設定画面があります。

・カメラの設定で「ISP感度」を高く設定します。ISO感度をあげると画質が悪くなりますが、低く設定すると手振れしますので、ISO感度を400から撮影をはじめるといいでしょう(400で手振れするようなら、800、1600……とISO感度をあげていくといいでしょう)。
※)LUMIX DMC-GF5Xの場合は、「撮影」のところに、ISO感度の設定画面があります。

・カメラの設定画面を開くと、「A(絞り優先)」「S(シャッター優先)」「M(マニュアル露出)」「P(プログラムAE)」などの撮影モードがあります。このうち、「A(絞り優先)」に設定します。

F値を4など低い値に設定します(なぜ低い値に設定するのかは後述しています)。すると、自動でシャッタースピード(SS)が決まります。
※)LUMIX DMC-GF5Xの場合は、A(絞り優先)に設定すれば、以下の画面が出てきます。この画面でF値の目盛りを操作することができますので、F値を4あたりに設定します(できる限り低い値に設定するといいです)。すると、自動でシャッタースピード(SS)が決まります。



この際、周囲が暗すぎると、F値が4でもシャッタースピード(SS)が決まらない場合があります。その場合は、F値をさらに下げるか、ISO感度をあげます(ISO感度400→1600など)。
なお、この際、手振れするかどうかの目安を知るために、「レンズの焦点距離」と「シャッタースピード(SS)」の関係を知っておくといいでしょう。具体的には、まずは「レンズの焦点距離」から、「1÷レンズの焦点距離」を計算します。それとシャッタースピード(SS)を比べて、「1÷レンズの焦点距離」よりもシャッタースピード(SS)が遅いと手振れする可能性が高いといわれています。
(例)焦点距離が24mmのレンズの場合、「1÷24」よりも、シャッタースピード(SS)が遅くなれば、手振れしてしまう可能性が高くなります。だから、「A(絞り優先)」にしてF値を決めた後、シャッタースピード(SS)を見て、「1/24」よりも大きいかどうか確認する必要があります(シャッタースピードが「1/24」よりも大きいならば、F値、ISO感度の設定を変える必要があります)。

・次に、シャッタースピード(SS)を操作して「露出」を設定します。「0」が、カメラが「露出が適正」だと判断している状態です。
※)LUMIX DMC-GF5Xの場合は、(F値を決めた後)操作キーを上に押すとシャッタースピード(SS)を操作することで、露出を決めることができるようになります(以下の画面を操作できるようになります。以下の操作画面で露出を捜査できます)。



・撮影します。なお、カメラが適正露出だと判断しているのが露出「0」の状態ですが、実際、どのように写るのかわからないので、露出をたとえば「−1」「0」「+1」のように変えて、何枚か撮影するといいでしょう。また、手ぶれのリスクが高いので、連続で何枚か撮影するといいでしょう。何枚かの一枚に手振れしていない写真もありますから(全部手振れしてしまうかもしれませんが)。

「A(絞り優先)」に設定して、F値を決めれば、シャッタースピード(SS)を設定しなくても、カメラが自動で露出を決めてくれます(露出「0」の状態です)。しかし、カメラは万能ではありません。明るい場所で撮影する場合、カメラは「明るい」と判断して、暗く撮影しようとします。だから、カメラが自動で決めた露出で撮影すると、実際よりも暗く写ってしまうことがあります。つまり、明るい場所だとカメラが(誤って)露出を下げてきますので、露出をあげます。逆に暗い場所で撮影する場合、カメラは「暗い」と判断して、明るく撮影しようとします。つまり、露出をあげてきますので、露出を下げます。


・カメラの設定にて「RAWファイルで出力する」に設定にしていれば、家に帰ってから付属のソフトでRAWファイルを加工します。

F値、シャッタースピード(SS)、露出の関係

ここまでの文章を読めば、夜景撮影のためにカメラをどのように操作すればいいのか、何となくわかっていただけたと思います。
しかし、「F値」「シャッタースピード(SS)」「露出」という言葉がよくわからなかったのではないでしょうか。
そこで、ここでは「F値」「シャッタースピード(SS)」「露出」とは何なのか簡単に説明します

というわけで、「F値」「シャッタースピード(SS)」「露出」ですが、この三者の関係は、よく「水道の蛇口から水をコップに注ぐこと」で例えられます。
どういうことでしょうか。

当たり前の話ですが、水道の蛇口を開くと、水がコップに注がれていきます。このとき、以下のことが言えますよね。

・蛇口を思いっきり開くと、コップに水が貯まるまでの時間は短くすみます。
・蛇口をできるだけ閉めて水を注ぐと(チョロチョロと水を流すと)、コップに水が貯まるまでの時間は長くなります。

「F値」「シャッタースピード(SS)」「露出」の関係は、これと同じです。
以下のように置き換えてみるといいでしょう。

・蛇口をどのくらい開閉するのか → F値をどのくらいにするのか(ただ、F値ではわかりにくいので、とりあえず「絞り」をどのくらい開閉するのかで考えます。「絞り」は「F値」と同じものを指しています。詳しくは後述します)
・水をどのくらいの時間注ぐのか → シャッタースピード(SS)をどのくらいにするのか
・コップに水がたまる → 適正な露出になる

図で示すと以下になります。



適正な露出にするためには、どうすればいいと思いますか。
たとえば、以下のようにすればいいとわかります。

適正な露出にするために(コップに水をためるに)、絞りを開けば(蛇口を思いっきり開いたら)、シャッタースピード(SS)は短くなります(あっという間にコップに水が貯まります)。

適正な露出にするには(コップに水をためるには)、絞りを閉める(蛇口を思いっきり閉めたら)、シャッタースピード(SS)を長くする必要があります(コップに水が貯まるまでの時間がかかります)。

まとめると以下になります。

適正な露出にしたい → 絞りを開く。シャッタースピード(SS)を速くする。
適正な露出にしたい → 絞りを閉める。シャッタースピード(SS)を遅くする。

つまり、絞りが決まれば、自動的に、シャッタースピード(SS)も決まるということです。
※)逆の、シャッタースピード(SS)が決まれば、絞りも自動的に決まります。

ここで、先ほどのカメラの操作手順を思い出してください。
夜景を撮影する際、「A(絞り優先)」に設定しました。また、F値を決めると、自動的にシャッタースピード(SS)が決まるとありました。
その理由が、今、わかったのではないでしょうか。

また、「蛇口をどのくらい開閉するのか」と「どのくらいの時間、水を注ぐのか」の組み合わせが無限にあるのと同じように、適正露出にするための絞りとシャッタースピード(SS)の組み合わせは無限にあります。

(組み合わせ1)蛇口を1ミリだけ開く。コップに水がたまる時間は30分
(組み合わせ2)蛇口を1.1ミリだけ開く。コップに水がたまる時間は29分50秒
※)このような組み合わせを無限に作ることができます。

ちなみに、「F値」と「絞り」ですが意味は同じです。ただ、「F値が小さい=絞りを開く」で逆の関係があるので、ちょっとややこしいです。どういうことなのか、例示すると以下になります。

・蛇口を開く = 絞りを開く = F値が小さい
・蛇口を閉める = 絞りを閉める = F値が大きくなる

F値に関する知識

F値を小さくすれば、一部にピントがあった写真を撮影することができます。
よく背景がボケた写真を見かけますが、あれはF値を小さくすることで撮影しています。

F値を大きくすれば、全体にピントがあった写真を撮影することができます。
夜景撮影では全体にピントがあっていた方が綺麗ですので、F値を高く設定します。ただ、あまりにF値を高くしすぎると、今度は「小絞りボケ(回折現象)」といって、逆にピンボケしはじめるので、F値が7から8あたりが一番いいといわれています。だから、三脚を使う撮影の際には、F値を7から8あたりに設定しているのです。

三脚を使わない撮影で、なぜ、F値を小さくするのでしょうか。
それは、夜景撮影では、光の量が少ない、先ほどのたとえでいうなら、コップに注ぐ水の量が少ないためです。だから、蛇口を目一杯開くか(絞りを開く=F値を小さくする)、水を注ぐ時間を長くする(シャッタースピードを長くする)しかありません。しかし、シャッタースピード(SS)を長くすると、ボケるので(シャッタスピードが「1÷レンズの焦点距離」よりも遅ければ手振れするのでした)、F値を小さくするしかないのです。
※)ISO感度をあげるという手もありますが、ISO感度をあげると画質が悪くなります。

シャッタースピード(SS)に関する知識

撮影モードには、「S(シャッタースピード優先)」もあります。
これは何のために使うのかというと、スポーツ、子どもの撮影など、被写体に動きがある場合に使います。
なぜ、そういえるのでしょうか。

シャッタースピード(SS)が速いということは、水があっという間に貯まるということです。「一瞬」を切り取ったイメージになります。

シャッタースピード(SS)が遅いということは、水がチョロチョロ流れていくということです。だらだらと撮影しているイメージになります。

さて、ボールが飛んできました。

ボールを撮影する場合、シャッタースピード(SS)を速くすると、どうなるでしょうか。
ボールの「一瞬」が切り取られるイメージです。だから、ボールが止まったように撮影できます(ボールの縫い目が写ります)。

ボールを撮影する場合、シャッタースピード(SS)を遅くすると、どうなるでしょうか。
ボールが「だらだら」と写るイメージです。だから、写真にはボールの軌跡(軌道)が写ります。

(文責:hide)

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